FreeDV V2の魅力

 1.はじめに

以下小生の体験をもとにFreeDVの魅力を書いてみました。ただし不満もありますがこれは書いていませんのでご注意を。


2.FreeDVの魅力

FreeDVの魅力は 従来のSSB音声通信と較べて
・所要無線帯域幅はSSBと同じく3kHz以内で同等以上の最小感度の実現 
・RADEによりPARPが1に近くなりスピーチプロセッサー不要
・音声符号化に電波伝搬路のフェージングによる劣化がなくAGC不要
・音声符号化で電波伝搬路からの雑音が抑圧されてNR,NB機能不要でアナログFM以上の雑音品質
・同期再生機能で同調操作がいらず一般利用者に不評なSSBのモガモガ音なし
・スマホの4kHz音声帯域を上回る8kHzで冬季には相手局のリアルすぎる咳きこみ音が楽しめる
・定量的な受信電波伝搬路の、S/N、フェージング周期変動をリアルタイムで可視化
・FreeDV Reporterで交信相手局のみならず周辺のFreeDV受信局情報をリアルタイムで可視化

また、過去約30年間アマチュア無線界において商用特許権で保護された音声符号器の採用で自由な進歩が阻まれてしまったが、GNU License条件でソースコードが開示されており誰でも自由に改善できることは音声符号化技術に興味のあるアマチュアにとっての魅力です。

今回FreeDVを実体験することで、1923年にもっとも周波数占有帯域が狭くもっとも電力効率の良いとされるSSBの登場でその後開発が停滞したHF帯音声無線技術がやっと100年後にAI技術の進歩次第ではSSBを凌駕する通信方式をアマチュア無線界から提示できる可能性を一般のアマチュアも感じてもらえると思っています。

3.参考文献
鈴木誠史、吉谷清澄;通信方式としてのSSBの変遷; 通信総合研究季報、 Vol 34 No.171、 June 1988
David Rowe, Jean-Marc Valin; RADE: A Neural Codec for Transmitting Speech over HF Radio Channels; 

2025年6月10日 記

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