「自己確認」制度を適用すべきとデジタル変革時代の電波政策懇談会 へ意見提出

 1.はじめに

アマチュア無線においても簡易な免許手続きとして「自己確認」制度を適用すべきとの意見を7月14日に提出した。

2.提出意見

項目

第3章デジタル変革時代の電波有効利用方策

1. デジタル変革時代に必要とされる無線システムの導入・普及

(6)デジタル変革時代に求められるワイヤレス人材

② アマチュア無線を活用したワイヤレス人材の育成

 

ご意見

 

原案

(イ)主な意見<事業者等からの主な意見>

 

・技術者の人材育成や無線技術の実験・研究開発の促進を見据えた、アマチュア 無線局の制度緩和が必要。

 

(追加)意見:

 

(ウ)パブコメによるアマチュア無線家からの意見

報告書で指摘されている制度緩和に関して、現状の免許手続き制度は先進諸外国と異なり簡易な免許手続きにおいて最上位の無線技術士資格者に対しても無線設備規則への自己確認技量を一切認めず第三者の保証認定または技適証明を求めことにある。よって他の無線業務の小電力無線機器に対して制度化されている技術証明を求めない「自己確認」制度の適用を検討すべきである。(例えば送信電力5W以下の)小電力無線機器は「特別特定無線設備」とし、第3者による保証認定または技適証明を必要としないアマチュア無線の有資格の申請者自身が「自己確認」する無線局免許手続規則第十五条の五第一項第二号の規定の簡易な免許手続きを行うことができる制度の適用検討を希望する。


同時にアマチュア業務への「自己確認」制度の導入方法にあたっての適用基準は他の業務のように小電力ではなくクラスで認められた操作範囲の送信電力とし自己確認制度の適用は上級クラスに限定する実現方法も検討願いたい。理由は無線設備規則への合致の確認はデジタル技術の発展でPCによるシミュレーションによる定量的な評価は常態化し、半導体技術の進歩でデジタルフィードバックでPCのソフトウエアで帯域内漏洩電力の低減を確認しながら運用することは日常化し、以前は高性能な測定機器の価格が1万円以下で入手可能となったことであり、この合致の確認作業のための機器操作は上級クラスが要求する技術能力に一致しておりまた報告書の「ワイアレス人材および従事者制度の見直し」への期待とも一致していると考えている。なお、この提案は英国のOfcomが既に実施していると理解している。

 

その他留意点:

上記指摘の(イ)項は本懇親会の議論に参加した<アマチュア無線代表者等からの主な意見>が正しいのではないかと思ったが報告書(案)のようにアマチュアではない他業務の事業者が技術者の人材育成としてアマチュア無線を高く評価しているのならそれはそれで喜ばしいので、別途パブコメ制度で報告書(案)を読んだアマチュア無線家からの追加意見とした。


追記:

「デジタル変革時代の電波政策懇談会 報告書(案)」に対する意見募集の結果の採番9として記載された。総務省の回答は以下の通り。

頂いた御意見は、総務省における今後の政策検討の際の参考とされるものと考えます。

報告書(案)を踏まえて、アマチュア無線をより活用しやすい制度・環境の実現に向けて、アマチュア無線に係る免許・検査などの各制度の在り方について、今後、総務省において具体的な検討が行われるものと考えます。アマチュア無線家の方々の御要望は幅広く、場合によっては方向性が異なるものがあることも考えられ、検討に当たっては、代表的なアマチュア無線家団体に検討に御参画いただき、その具体的な御意見等を踏まえて、有識者や関係者による検討会を開催して議論していくことが考えられます。

その際には、アマチュア無線を取り巻く我が国の社会環境や電波利用状況等の変化、無線機器の市場・技術動向等の変化、各国の制度やその社会環境、さらには電波法の目的等を踏まえて、日本のアマチュア無線に適した、より自由で試行錯誤がしやすい実験・研究環境の実現、未来を担う青少年などの初心者にとってアマチュア無線を始めやすくなるような環境の整備などが検討されることが期待されているものと考えます。

 


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