RADEのPAPR確認作業で得られた思いがけない成果ー2アマ用の200W平均電力デジタルモード用リニアアンプの提案ー
1.まとめ
下の表は開発中のRADE2のPAPRが規格通り改善されているかを評価グループでの測定で確認した結果をまとめたものである。
幸い日本の電波法では定格電力が諸外国のようにピーク電力で規定されておらず平均電力で規定されているためこの差のPAPRは気にしなくてもよいことがこの確認作業で認識できた。これは大変有利なありがたい規定であり、特に2アマ固定局にとっては現状100WのSSB機をRADEの運用に流用する場合さらに7dBのリニアアンプを外付けできることになることになる。そしてFT8の場合も同じでこれはデジタルモードの特徴であることが分かった。以下測定の評価(1項から3項)と各国の定格電力規定(4項)と日本の電波法規定に従った「平均電力200Wが連続運転可能なデジタルモード用リニアアンプ」の提案(5項)である。
なぜこんな荒唐無稽に見える提案をするのかを理解いただくために5)項とは別な説明すると、下の表のSSBのPAPR実測値が9.26dBあることを前提に既存のSSB機は設計され製造されている。平均電力はわずか12%となり電波の到達距離は短くなるが熱設計上は小型化軽量化が可能であった。一方RADEはMLデジタル技術を利用して送信電力密度を圧縮をしてかつPAPR=0dBを目指したが現実的にはPAPR4dBにとどまったがSSBに較べて5.26dBより長距離の運用が可能になった。それに加えて電波法の規定でRADEのOFDM変調はFM変調と同じく平均電力で規定されていることを考慮するとさらにPAPR分4dBを加えて、計9.26dB長距離での運用が可能になった。さらに2アマを例にすると200Wの平均電力で固定運用が許可されることになり既存の100WのSSB機を利用している場合はさらに3dB、計12.26dB長距離運用が可能になり、このためには利得3dB+9.26dBのリニアを外付けすればよい。もしこのデジタルモード用リニアをメーカーが技適取得済みで販売すれば1アマと直接検査の2重の壁を超える苦労はもう誰もしなくて済む。別の例を考えると5WQRPでのフィールド運用でも5W/0.12=40W相当の運用になるメリットも容易に想像できる。(この時メーカーさんはRADEのために平均電力5Wの内蔵アンプを新設計してもらいたいものである。)これらの例はRADEのPAPR確認作業で得られた思いがけないMLデジタル時代の夢である。
以上
1)Source Fileの形式はDavid March 2026 – AI V1 C Port QA, Claude Code, V2 EOO and SNR, Stored File OTA tests の下のページにある「High SNR spectrogram, chirp-SSB-RADE V1-RADE V2. Note the difference in bandwidth for RADE V1 and V2」の図の形をしている。RADE2の評価が妥当であることを確認するためにRADE1のみならずその他の方式のPAPRが測定されている。
2)測定はFreeDVの出力点でのPAPRである。変調器とPAの介在で送信機の出力点の真のPAPRは若干増大するので要注意。一方本文の2.2項の測定データは真のPAPRであるがここでのデータはAudacityによるので本文2.2項よりは測定精度はよい。
3)CHIRPとSSBのPAPRが追加されている。FT8と同じ定振幅変調のCHIRPのPAPRは0dBで良好であるがSSBのPAPRは9.26dBとRADEに較べても高い。
4)RADEに対するPower Definitionは送信機の電力規定が各国によって異なるので注意喚起として記載してある。ピーク電力と平均電力はRADEの場合約4dBの差がありこれをPAPRと称している。諸外国では定格電力は一律ピーク電力のみで規定されている国が多い。一方、日本のアマチュア無線業務では平均電力が採用されている。平均電力である理由は付属装置のベースバンドの変調の型式が電波の型式(電波法施行規則第四条の二)になり工事設計書の電波の型式となり送信機の空中線電力(同規則第四条の四)になるためG系の電波の型式は平均電力と規定されていることが確認できる。アマチュア特定付属装置の免許手続きの簡素合理化で電波の型式が記載が不要になったので電波の型式を以前ほど意識することはなくなったが、電波の型式で平均電力かピーク電力かを切り分ける法律の立てつけは変わっていない。
5)例えば既存の100WのSSB無線機での運用を前提にしている場合に平均電力は(ピーク100WーPAPR=100W-4dB=100/2.5)40Wしか出ていないことに気付かれると思う。特に2アマの運用は流通されているSSB無線機はほとんど100Wが多いにも関わらず2倍の平均電力200Wまで許されているのでこの差を外付けのリニアアンプ(4dB+3dB)で補おうと考えるのは自然であり合理的である。この際ピーク電力は200Wx2.5=500WとなりアナログSSB機の運用感覚ではオーバーパワーと考えるかもしれないが4)項で書かれているようにG系には電波法では本来運用が認められていることを失念していただけである。平均電力は電波の型式が位相変調系のG系のみならず周波数変調系のF系でも同じであることからFT8でも同じことであった。このリニアはSSB、CW、デジタルモードすべて200W機であるため技適取得またはJARDの保証認定で直接検査は不要である。アナログモードにはないデジタルモードの特徴である。
参考のためにこのリニアのスペックの素案を以下に示す。
1.既存2級および1級ハムを主対象にFT8とFreeDVのデジタルモードを主目的に平均電力200Wが連続運転可能なデジタルモード用リニアアンプ2.運用周波数:1.8MHz~50MHz(高い周波数の削減は可能)
3.送信電力:30分程度の連続運転での平均電力:200W
ピーク電力:ガウス分布でmax4dB(max500W)
4.最小入力電力:50W機の最大平均電力10~15W程度を想定
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