RADE1とRADE2の平均電力の差を古いアナログ電力計で測定した結果は?

1.はじめに

普及型のメーカー製のSSBトランシーバーの表示部にはピーク電力しか表示する機能もしくは「ピークに反応しない電力表示機能」がないために「電波法で平均電力で規定されている」と理解しても別途平均電力を測れる測定器を用意しない限り不安で運用できないと思う向きもあると思う。そのために簡単だけれども実用的実測方法を以下に提示した。

2.アナログ電力計で測定法

一般に平均電力は一定であるデジタル方式の通信の場合の平均電力の測定にはアナログ電力計では熱電対を使ったバード製が最適である。しかし、バード製はアマチュアにとっては高価でありデジタルの運用のためにわざわざ購入するのは非現実的である。

よく考えるとRADEのOFDMのフレーム長は約40mSから120mSであり各フレーム間では平均電力に差はないことから1フレームの平均電力を正確に測定して表示すればこれ以上長く測定する必要はない。手持ちに古いアンテナチューナーに内蔵のDAIWA CNW-518はSSBとかAMの無音部でなく「アーアー」と大声で叫んだ時(約1秒ぐらい)のピークを測定させるものでちょうどRADEの平均電力に適していると思った。少なくとも将来フレーム長を120mS以上にしない限り指針は震えないしフレーム長が40mS以下になったときの指針は安定に真の平均電力を表示してくれる。またTUNE時の1、500Hzのサイン波である連続波の場合は指針の平均値はピーク電力と一致して表示してくれる。

このことから試しの測定にはRADE1とRADE2が組み込まれているSDRプログラムThetis v2.10.3.21 by SV1EIAを使った。RADE1の送信帯域フィルターの設定に関しては開発元の推奨は2.4kHz以上ではあるが世界的な利用は2kHzのようなのでこれに合わせて2kHzとした。

先ず、TUNEでDriveレベルを調整して50Wに合わせた。これが写真1である。


写真1

次に同じDriveレベルでRADE1で電波を発射させて平均電力を測ったのが写真2であり約12W程度を指している。


写真2


最後にRADE2の平均電力を測ったのが写真3であり約20Wを指している。


写真3


明らかにRADE2の設計目標通り平均電力は増加している。設計目標通りとは日本の電波法とは異なり、アマチュア無線においてはアナログとデジタル方式の区別なく定格電力はピーク電力で規定するという世界的慣習があるためSSBのコンプレッサーと同じくできるだけピーク電力に近づけたいという意図通りである。

この場合の電力増加はデシベル換算で10xLOG(20/12)=2.2dBの向上となっている。設計目標4.2dBー3.5dB=0.7dBを1.5dB上回っている原因は上記に書いたように送信フィルターを2kHzに狭めたためだと理解している。

3.まとめ

簡易な実測ではあるがRADE2はRADE1より約2.2dBほど平均電力が高くなりSSBのコンプレッサーと同じくより到達距離が増大に寄与していることが確認できた。現実的にDAIWA CNW-518のアナログメーターは入手困難と思えるのでジャンクのアナログピークメータの平滑コンデンサーを大きくして時定数をフレーム長より長くすれば同様のことが簡単にできると思うので各自試してもらいたいと思う。

なお、1.項で「電波法で平均電力で規定されている」と書いたことを以下復習すると、今は「日本の電波法では例えば2級の固定局は一律に免許状で空中線電力200Wと書かれている」ことも記載自体がアマチュアでは省略されたので、このことさえも忘れ去られて説明がやっかいな時代になったが、最近の変更なので説明なしにこのことは正しいと認めていただきたい。

そして、「FT8とかFreeDVなど電波型式がGとかFとかのデジタル方式に関しては平均電力で規定されている」のだから、現状100W機に平均200Wのリニアアンプを追加した変更申請をして遠慮なくRADE1の場合は12W、RADE2の場合は20Wでドライブして平均200W(SSBではピーク500Wに相当)にあげて合法運用してくださいという小生の老婆心から出たアドバイスに、首を傾げたり事前にJARDなりに違法ではないことを確認してくれなければ勧められないと弱腰な反応に辟易していたが、書架にあった財団法人電気通信振興会の「電波法規の要点」のP.37の「空中線電力の表示」の問題12の3項と4項の解答で正しいのは「平均電力」であると印刷されているのを見つけた。これで小生のアドバイスは100%正しいと安堵したのでこのページを現情報通信振興会には無断でこのページに貼っておきます。

「電波法規の要点」のP.37の「空中線電力の表示」の問題12

いやいやこれはプロ用でアマチュアは別でしょうと言われるへそ曲がりな方はアマチュア向けのJARLの「電波法抄録」を購入して43~44ページあたりの電波法施行規則第4の4のなかでアマチュア業務を例外とはせずにきっちりと書かれていることを確認してほしい。

ではなぜFreeDVの開発元はピーク電力云々いうのかと疑問を持たれる国際派の方はついでにJARLの「電波法抄録」の最後にある国際電気通信連合憲章の無線規則25.8 $5 1)に「アマチュア局の最大電力は、関係主管庁が定める」の不可侵規定があることをご理解いただきたい。

もうこのことに関してこれ以上の説明いたしませんので各自のお考えて行動してください。

以上。



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